それぞれの立ち位置の違い
設計事務所とハウスメーカー・工務店(施工会社)の最も大きな違いは、立ち位置です。
ハウスメーカー・工務店は、一般的に設計・工事・監修全てを請け負います。
それらを担当する部門・下請けの会社は全て一つの企業・会社を頂点としたグループであり
そのグループに対し、 建築主であるお客様が直に対応する形になります。
対して、アキ設計のような設計事務所の場合、工事を行う会社とは完全に独立した対等の関係になります。
つまり、設計事務所(建築士)が
建築主である お客様の代理として施工会社との間に立ち
施工会社を監督(監理)することができる のです。
設計事務所が行う「監理」とは?
設計事務所の行う「監理」とは、建築主の希望を具体化した設計図どおりに工事が行われているか
(施工会社の都合が優先されていないか)、基本的に設計した建築士本人が「建築主の代理人」として
工事をチェックすることを意味します。
施工会社が行う「管理」とは?
ハウスメーカー・工務店などの施工会社で工事担当者・現場監督が行う「管理」とは
「現場を動かす責任者」として、工事がスムーズに進行するよう、段取りや調整・保守をすることです。
ハウスメーカーや工務店の場合、この「管理」・「監理」が同一の組織にあることになります。
このため、場合によってはお客様の利益よりも、工事のしやすさや会社の利益が優先され
それが場合によっては、施工ミスなどの大きな問題が生じ得る原因になることもあります。
アキ設計のような設計事務所に設計・監理を依頼され、工事は施工会社が行う場合のように
設計と工事が完全に分離していれば、設計者が工事を第三者の立場で、建築のプロとして厳しくチェックすることができるのです。
設計事務所がしている「監理」の具体的な内容とは?
アキ設計が行う「監理」では、次のようなことを行っています
■工事がはじまる前にすること
- 工事見積のチェック
- 工事用図面(施工図等)のチェック
- 工事で使用する機器や商品の発注前の最終チェック
- 工程表のチェック
- 工事担当業者リストのチェック
- 工事契約書内容のチェック など
■工事がはじまってからすること
- 工事がお客様の希望どおり、設計図どうり行われているかのチェック
- 工事が工程どおり行われているかのチェック
- 工事中の想定外への対処法を検討・相談すること など
設計事務所の建築士は、図面を描くだけが仕事ではありません。
どんなに良い設計図ができても、それを工事で正しく実現できなくては意味がありません。
また、とくにリフォームなどの場合では解体してみたら壁の中が想定外の状態だったり
新たな問題点が発覚することも多くあります。
その時は、必ずしも図面通りに工事することが正解であるとは限りません。
その場合は、私たち建築士だけではなく、現場担当者やお客様とも相談しながら
より良い解決方法に導きだすことも大切です。
私たちが行う監理の仕事は、目先の形だけを整えるのではなく
将来にわたりお客様が安心して暮らせる家を提供することを
第一に考えています。